みなさん、「神話」って好きですか?ご興味ありますか?
私はまったく興味ありませんでした。マオリ文化を学ぶまでは。
私は初めてマオリ神話を聞いた時、なぜか親近感や懐かしさを感じました。
この感覚はどこから来るのか?
ずーっと考えていたら、思い出しました。
子供の頃、お祖母ちゃんに寝る前に読んでもらった昔話の絵本のことや
週末にテレビで観ていた「まんが日本昔ばなし」のこと。
その日本昔話の世界観をマオリ神話の中にも感じたのです。
そこに気付いてから、ますますマオリ文化と日本文化は近いと思うようになりました。
この感じをぜひ多くの人に知って頂きたい!
なので、今回は マオリ神話 の「始まり」 と マオリの神や守護神 をご紹介します。
マオリ語で 神様 は?
マオリ語で 神様 を アトゥア(Atua) と言います。
アトゥア(Atua) は大勢います。それぞれ森、海、風、農耕、戦争などを司っています。
マオリ神話の「始まり」
世界は始め「コレ Kore(無)」であった。
次に「ポー Pō(暗闇/夜)」
そして「テ・アオ・マーラマ Te Ao Mārama (光の世界)」が生まれた。
そうして、ランギヌイ(大空の父)と パパトゥーアーヌク(母なる大地)が現れた。
大空の父 と 母なる大地
- ランギヌイ(Ranginui)ー 大空の父
ランギ(Rangi)とも呼ばれます。パパトゥーアーヌクの夫で、守護神の父です。
- パパトゥーアーヌク(Papatūānuku) ー 母なる大地
パパ(Papa)とも呼ばれます。ランギヌイの妻で、守護神の母です。
ランギとパパの子供達 代表的な7柱の守護神
ランギヌイとパパトゥーアーヌクの間には70柱の守護神となる子供達がいます。
全員は紹介できませんので、中でも有名な 7柱 の守護神を紹介します。
- ターネ・マフタ(Tāne Mahuta)ー 森の守護神
ターネ(Tāne)とも呼ばれます。
木々や鳥を司っています。
父と母を引き離し、光をもたらしました。
初めての人間の女性を創り出すのもこの守護神です。
ちなみに、
ノースランド地方にある原生林地域ワイポウアには同じ名前がついているご神木があります。

- タンガロア (Tangaroa) - 海の守護神
海だけでなく、川、湖、魚介類などもを司っています。

- ロンゴ・マー・ターネ(Rongo-mā-Tāne) - 農耕の守護神
ロンゴ(Rongo)とも呼ばれます。
さつまいも(クーマラ/Kūmara)などの農耕植物と平和を司っています。

- ホウミア・ティケティケ(Houmia-Tiketike) 野生植物の守護神
ホウミア(Houmia)とも呼ばれます。
野草やハーブ、シダなどを司っています。

- トゥーマタウエンガ(Tūmatauenga) ー 戦いの守護神
トゥー(Tū)とも呼ばれます。戦争や人を司っています。
父と母を引き離すために兄弟で話し合った際に、「両親を殺そう」と言いました。
- ターフィリマーテア(Tāwhirimātea) - 風の守護神
ターフィリ(Tāwhiri)とも呼ばれます。天気、嵐、雨、風を司っています。
子供たちが父と母を引き離す作戦を立てた際、ターフィリマーテアだけ反対をしました。
ほとんどの子供達が母方につきましたが、ターフィリマーテアは父方へつきました。
今でも嵐を起こし、大地の兄弟達へ怒りをぶつけています。
- ルーアウモコ(Rūaumoko) ー 地震と火山の守護神
70柱の兄弟の中の末っ子です。
父と母が引き離されたときに、ルーアウモコは母の胎内にいました。
そのため、ルーアウモコは地上ではなく大地の中にいます。

マオリ神話 天と地が分かれる
ランギヌイとパパトゥーアーヌクは片時も離れず、ずっと抱き合い、くっついていました。
子供達はその両親の狭間、真っ暗闇の中、過ごしていました。
そんなある時、両親の隙間から光が差し込み、光があることに気が付きました。
光の世界に気が付いた子供達はどうやって両親を引き離すかを話し合い、試みました。
ターフィリマテアは両親を引き離すことに反対しました。
トゥーマタウエンガは両親を殺そうとさえ言いました。
なかなかうまくいきませんでしたが、
最後にターネ・マフタはパパトゥーアーヌクに肩と腕をつき、足でランギヌイを押し上げ、
両親を引き離すことに成功しました。
*神話はマオリ語/文化コースでの学んだこと、オークランド博物館の展示、今まで聞いたことなど主に参考にしました。
地域や部族によっての神々の名前や神話にも違いもありますのでご了承ください。
最高神の存在
イオ(Io)は 最高神 です。
そんな重要な最高神なのに、なぜ最後に紹介?と思われるでしょう。
なぜなら、、、
諸説ありだからです。
私のマオリ語/文化コースの先生は曰く
「神はイオだけで、他の神(God)と呼ばれている神々は厳密には守護神(Guardian)」
部族や、キリスト教の影響を受けているかなどによってイオの存在に違いがあるようです。
いかがでしたか?
日本神話にも天地開闢(かいびゃく)や神生みの話がありますが、ちょっと似てませんか?
と、ちょっと知っている風なことを言ってますが、
マオリ語/文化の勉強するまでは古事記のこと全然興味がなく、ほぼ知りませんでした。
類似点に気が付いてから、古事記について調べ始めました。
マオリ語/文化を学びにいったのに、
まさか自分の国の歴史書、古事記に手を出すとは思いませんでしたが。。。
マオリの神々の名前を覚えるのはちょっと大変かもしれません。
でも、よく聞いているとマオリ語のスピーチやお祈り、歌でも神々の名前は出てきます。
名前を覚えられなくてもいいです。
この神話から、マオリの世界観を感じるだけでもいいです。
この世界観はマオリだけではなく、
アオテアロア(ニュージーランド)に根付いていると、私は思っています。
なので、神話を知っているとさらにアオテアロア(ニュージーランド)を理解できるのではないでしょうか。
マオリ語の先生がよく言っていました。
「全ては繋がっている」と。
ではでは、
Ka kite anō! カ・キテ・アノー!(またね!)