マタリキ(Matariki)って何?

マオリ Māori

今、ニュージーランドでは各地でマタリキのイベントが開催されています。

毎年6月~7月にこの言葉をよく目にするようになるのですが、
マタリキ(Matariki)って何だかご存知ですか?

昨年マオリ歴の新年―マタリキとプアンガ でマタリキのことを書いたのですが、マタリキよりもプアンガの方を主に説明していました。

あれから一年が経って前よりは少し知識も付きましたし、良い機会なので「マタリキ」について改めて調べました。

「マタリキ」とは何なのか?
「マタリキ」ではどんなことをするのか?

今回はこの2つについてご説明していきます。

「マタリキ」って何?

まず、マタリキ(Matariki)という言葉は主に3つのことを指しています。

1-すばるのマオリ語名
2-星の名前
3-マオリ暦の新年

一つずつご説明しましょう。

1ーすばるのマオリ語名「マタリキ」

すばる つまり プレアデス星団のことをマオリの人々はマタリキと呼びます。

ここでは「マタリキ星団」と呼びます。

マタリキ星団の星の数は 7つ 9つ です。(部族によって異なる)

マタリキ星団は5月頃に一度見えなくなって、
6~7月、北東の空に再び姿を現します。
この再び現れた時マオリ暦の新年にあたります。

マタリキのマオリ神話もあります。
マオリ天文学者のランギ・マタムア博士によりますと、
マタリキ(Matariki)には 「風の神様・ターフィリマーテアの目」(’Ngā Mata o te Ariki Tāwhirimātea’)という意味があります。風の神様ターフィリが大空の父と母なる大地が引き離されたことで兄弟へ怒り、父に申し訳なく思った。風の神様ターフィリは自身の目を剥ぎ取り、砕いて父の胸に付けた。そのため風の神様は盲目なのだそうです。

ランギ・マタムア博士の話を深く知りたい方はこちらをぜひ聞いてみて下さい。14:28にこのお話をしています。

またマオリ神話について知りたい方はブログ内の マオリ神話 「始まり」と マオリの神様 で少し説明させて頂いています。

星の名前を指す「マタリキ」

マタリキ星団の星には名前がついています。

上の写真をご覧下さい。
中心から右上にある、その名前も「マタリキ(Matariki)」です。


それぞれの星には名前があり、人々の暮らしや環境に関連する意味を持ってます。


マタリキ(Matariki):人々の繋がり、健康や幸せ

トゥプ・アー・ランギ(Tupu ā rangi):木の実や果実、鳥などの木の上で育つもの

トゥプ・アー・ヌク(Tupu ā nuku):さつまいもやジャガイモなど、土で育つもの

ウルアランギ(Ururangi):

ワイプナ・アー・ランギ(Waipuna ā rangi):

ワイター(Waitā):海と海産物

ワイティー(Waitī):ウナギなどの淡水の中で育つもの

ポーフトゥカワ(Pōhutukawa)*:故人

ヒワ・イ・テ・ランギ(Hiwa i te rangi)*:願い、来年の目標の達成

*マタリキ星団が6つの星として扱われる際は ポフツカワ と ヒワ・イ・テ・ランギ が含まれません。

マオリ神話ではマタリキは母で、他の星は子供達です。父親はマタリキ星団の中にはいませんが、レフア(さそり座の中の星アンタレス)です。またレフアは大空の父と母なる大地から生まれた神様の一柱という話もあります。

3-マオリ暦の新年の「マタリキ」

1と2でご説明したように
「マタリキ」は星団の名前と星の名前でもあるのですが、マオリ暦の「新年」という意味もあります。

ここでは「マオリ新年」と呼びます。


Te Wananga o Aotearoaによると
マオリ新年は今年(2020年)7月13日~20日です。
ちなみに来年(2021年)は7月2日~10日です。

マオリ新年は毎年、日が変わります。
なぜならば、月の満ち欠けを参考にしているマオリ太陰暦に則っているからです。

マタリキ星団は6~7月頃のタンガロア(下弦の月あたり)の時に夜明け前の地平線上に姿を現します。
今年(2020年)は 7月15日です。
タンガロアの期間は大体4日あり、その約4日後に新月になります。
つまり7月13日~20日はタンガロアから新月までの期間です。

どの日をマオリ新年として考えるかは部族によって違います。
マタリキ星団が初めて見えた日を祝う部族もあれば、その後の新月を祝うところもあります。
3日間祝うという記事も見たことがあります。
またマタリキ星団ではなく、プアンガ(オリオン座のリゲル)を新年の印としている部族もあります。

オークランドで開催されたカパハカ@マタリキフェスティバル2020

ちなみにオークランド市(Auckland Council)は
冬至にあたる6月20日からマタリキ星団が姿を現す7月15日まで「マタリキフェスティバル」を開催しています。


マオリ新年はどんなことをするの?

家族や友人達と集まって過去を振り返り今を祝い新年の計画を立てる時です。

マオリのご先祖様達は再び昇ってきたマタリキ星団を見て、どんな年になるかを予測しました。
解釈は部族によって違いますが、例えばこんなものがあります。
・雲に隠れたりせずにクリアにマタリキ星団が見えたら豊作の年
・ワイターが輝いてみえたら海産物に恵まれる 


もしこの一年、身近で永遠の別れをした方がいたら、ぜひその人のことを思ってあげて下さい。
マオリ新年は昨年お亡くなりになった方々のことを思い出し、最後のお別れをし天国へと送り出す時です。
マタリキ星団は亡くなった人々の引き受け役であり、再び昇ってきた時、その魂は星になると信じられています。クライストチャーチ図書館のファエアさんによると、ポーフトゥカワは星となった魂が安全に幸せに過ごせるように見守っていて、星たちは瞬くことによって家族へ手を振ることができるそうです。


家族や友人達と集まりましょう。
そして、暖を取りながらご馳走を食べて話をして、知識を共有しましょう。学び、成長して、新年に備えます。


過去を振り返り、皆で集まったら、新年の目標や計画を立てましょう
気持ちを新たにして新年をスタートするのです。






いかがでしたでしょうか?

マタリキの時期に「マタリキ」について調べて、私もちょっと成長できたかな?

この一年を振り返ると、マオリ語/文化コースを通して色んなことを学んで、経験させて頂きました。このひとつ前の投稿でも触れましたマオリ式のお葬式に参列させて頂いたことが大きな出来事の一つでした。まだ上手く言い表せませんが、私の死生観に影響を与えたのは間違いないです。
また、マオリではない私がマオリ語/文化を紹介するのことについても悩み悩んだ一年でした。
でも、やっぱり私はマオリ語/文化にすごく興味があって大好きで、自分のやりたいことであって、そこで知ったことを伝えるのが私にできることなのかなと思っていますので、できる限り続けていきます。

今回は「マタリキ」をご説明しましたが、
正直なところ、勉強し始める約3年前は全然知りませんでした。
それは私だけではなく、マオリではないニュージーランド人にも言えることだと思います。

実は、かつては祝われていたマオリ新年マタリキは一時期衰退していました。
再び祝われるようになってきたのは今世紀からであって、割と最近のことなのです。

それに、2020年現在、マタリキ(マオリ新年)はニュージーランドの祝日ではありません。
最近では祝日にしようという声も高まってきています。

衰退した理由は長くなるのでここでは述べませんが、復活してきているのはマオリのご先祖様の努力やそれを引き継ぎ取り組んだ人々の努力のおかげでしょう。

私はマオリ語/文化は今後さらに復活して、多くの人々がマオリ語を使うようになって、マタリキを含めたお祝い事も一般的に行われるようになると信じています。



皆さんもこのマタリキをきっかけに、
昨年のことを振り返り、今に感謝し、次の目標を立ててみてはいかがでしょうか?



今回はけっこう長くなってしまいました。。。
まだまだ勉強不足なところもありますが、ちょっとでも参考になっていたら幸いです。

ここまで読んで頂いてありがとうございました!


*部族によってかなり違いがありますので、違う解釈があったとしても間違いではありません。
逆に、もし私の記述で明らかな間違いがあった場合にはぜひご連絡下さい。

<参考>
・Whaea Rochelle. Matariki Storytimes: Te Iwa o Matariki. Christchurch City Libraries Putahi Akoranga, https://youtu.be/PYamHF_yNKM
・Heart of The City Auckland. Matariki Festival 2020. https://heartofthecity.co.nz/auckland-events/matariki-festival-2020
・Macguiness Institute, Matariki and Māori astronomy with Dr Rangi Matamua. https://www.mcguinnessinstitute.org/foresightnz/matariki-and-maori-astronomy-with-dr-rangi-matamua/
・Te Wananga o Aotearoa. English Poster ‘Te Iwa o Matariki.https://www.twoa.ac.nz/hononga-stay-connected/te-iwa-o-matariki/matariki-poster-english
・Te Wananga o Aotearoa. Matariki Handbook Te Iwa o Matariki. https://www.twoa.ac.nz/hononga-stay-connected/te-iwa-o-matariki/matariki-handbook
・Te Wananga o Aotearoa. Te Iwa o Matariki. https://www.twoa.ac.nz/hononga-stay-connected/te-iwa-o-matariki
・Wikipedia, Rehua, https://en.wikipedia.org/wiki/Rehua

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